人を知る
専門家の集まりに見えるが、
実はチームワークが大切
情報システム事業部 技術-プロジェクトマネージャー
2014年4月入社
情報システム事業部第一技術部の所属として、主に海上自衛隊向け製品の設計に携わっています。今年度からマネージャーに昇格し、現在は製品のプロジェクトマネージャー(PM)として、メンバーの統括や顧客との仕様調整を主に担当しています。
担当者時代は、図面の作成や関係部署との調整が主な業務でした。PMになったことで、設計者としての現場業務に加え、エンドユーザである自衛隊の方々と直接対話しつつ、将来的にどのような製品にしていくべきかといったロードマップの策定にも関わるようになりました。
技術職として、一生設計を続けたいと考える人も多い中、私は仕様策定の段階から携わり、一から新しい製品を生み出す過程にも携わりたいという思いを抱いていました。入社当初は設計に必要な知識を蓄えることばかりに集中していましたが、業務経験を積む中で視野が広がり、現場からPMへのキャリアにも関心を持つようになりました。
PMとして働く現在のポジションは、私にとって大きなやりがいとなっています。設計者には、特定のポイントを深く掘り下げる役割と、全体を見通す役割がありますが、私は後者の全体を見ながら設計する役割にやりがいを感じます。当社は設計から保守までを一貫して手掛けているのが強みです。製品の完成から運用期間が何十年もあるため、製品のライフサイクルを常に意識しつつ、エンドユーザの声も聞きながら次に繋がる製品を設計できることは、非常に大きなモチベーションとなっています。
企業研究を進める中で、これまで知らなかった防衛業界に興味を持ちました。防衛事業は安定性が高く、失敗が許されない分野であることから、最新かつ高いレベルの技術に触れることができ、大きなやりがいを感じられるのではないかと考えました。
他社と比較して日本アビオニクスが魅力的だったのは、製品の設計から保守までを一貫して手掛ける体制です。保守のみを専門とする企業や、特定の工程にのみフォーカスしている企業が多い中で、ものづくりの全体像に深く関われる点が大きな違いでした。システム開発に特化した企業も良いですが、それでは携わることのできる範囲が限られてしまうため、幅広い経験を積める当社を選びました。

入社前は製造メーカの技術部門というと、職人気質で寡黙な雰囲気なのではないかというイメージがありましたが、実際に働いてみると、チームで仕事を進めるためコミュニケーションが活発で、特に人間関係のハードルは感じませんでした。
ワークライフバランスも良好で、事前申請をすればチーム内で業務を分担できるため、休暇が取りやすいです。当社のプロジェクトは年単位と期間が長いため、計画的に進めることができ、業務の調整がしやすい点も魅力です。
また、日々の業務効率化や改善に向けた話し合いが頻繁に行われており、全社的に働きやすい環境づくりに取り組んでいます。数年前の独立を機に経営陣に生え抜きの社員が増え、この傾向がより顕著になりました。防衛業界は追い風が吹いており、年々予算が増加していることに比例して業務量も増えているため、業務効率化の必要性はますます高まっています。
具体的な取り組みとしては、5S活動(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)を通じて、新しい生産ラインの創出や、社員がリラックスできるスペースの拡充させるなど多岐に渡ります。また私の所属している情報システム事業部は防衛関係の製品を扱っている特性上、専門用語が多くて新入社員が戸惑うことが多いため、マニュアルの整備も進めています。ベテラン社員にとっては普段当たり前のように使う用語も、新人の方にとっては初めて聞くことばかりです。こうしたマニュアルがあることは、スムーズに仕事を遂行するうえで非常に効果的だと感じています。
製品開発のスパンが年単位と長いため、後輩への指示の際には、現在取り組んでいる部分的な作業が、ものづくり全体のどの部分に該当し、どのように重要なのかを理解してもらうことに重点を置いています。
技術者として、経験が浅い頃は自分の技術的な知識不足から不安を感じるものですが、どれだけ経験を積んでも完璧にはなれません。そのため、最初の段階から恥ずかしがらずに、疑問に思ったことはすぐに質問するよう促しています。
技術職には物静かな人が多いと感じるため、後輩が質問しやすいよう、マニュアルだけでなく、実際の製品を前にして話すようにしています。そうすることで、業務内容がより面白く、深く理解できるようになります。
以前、他部署に異動した後輩が、私が教えていた「全体業務に目を向ける」という意識を活かしているのを見て、教育の成果を感じました。幅広い視野を持つことを意識させることで、後輩が自分自身の得意分野や本当にやりたいことを見つけ、主体的にキャリアを築いていくことを期待しています。
部署の垣根を超えたディスカッションが活発な当社の環境は、後輩が多様な視点を身につける上で非常に役立っています。

まず入社後約3週間は、基礎的なビジネススキルに関する研修を実施します。その後、本人の希望も考慮しつつ、各事業部に配属されますが、情報システム事業部の新人研修では、普段あまりなじみのない防衛業界の知識を習得することに重点を置いています。座学だけでなく、受講者の興味を惹くような工夫も凝らしています。具体的には、防衛事業における図面作成を学んだり、実際に自衛隊基地にお邪魔して隊員の方々の話を伺ったり、関連会社のショールームを見学するなどして、徐々に情報システム事業部の雰囲気を感じ取ってもらえればと思います。最近では実際の潜水艦内に入らせていただくといった内容の研修もありました。
研修の前半で基礎知識を学び、後半ではエンドユーザーがどのように製品を利用しているかを体験することで、より深く業務を理解できるようにカリキュラムを組んでいます。品質保証部の社員は、製品納入後の更新作業やサポートでエンドユーザーと頻繁に接する機会があります。
実際にモノづくりに携わっていると、エンドユーザーの生の声を直接聞く機会が少ないのが現状です。しかし、当社の研修では、実際に自衛隊員の方々に直接話を聞く機会が設けられており、これは非常に貴重な経験です。また、日頃から現地へ赴く機会の多い社員からもユーザーの声を吸い上げ、次の製品開発に活かすというサイクルが確立されています。
ものづくりの現場では、開発段階で不具合が発生することは避けられません。特に新入社員は、その責任の重さに大きなプレッシャーを感じることがあると思います。しかし、当社では不具合を未然に防ぐための仕組みづくりを会社全体で行っており、先輩社員も手厚くサポートするため、技術者は安心して仕事に専念できます。
上の立場になると顧客とのやり取りが増え、民間企業とは異なる特有の課題に直面することも多くなります。
新入社員が責任感を育む重要なタイミングは、製品開発に携わり始めた時です。たとえごく一部の作業であっても、それが最終製品全体の品質に大きく影響することを伝えています。決して脅しているわけではなく、プロフェッショナルとして責任感を持つことの重要性を理解してもらうためです。
当社にはベテラン社員も多く、その技術を次世代に継承することにも力を入れています。早い段階から若手社員に責任ある仕事を任せることで、人材育成と技術継承を同時に進めています。また、社員間の活発なディスカッションの場を設けることで、知識や経験が共有され、組織全体のレベルアップにつながっています。