人を知る
防衛業界という堅苦しい
印象とは逆で働きやすい環境
情報システム事業部 技術-構造設計
2022年4月入社
生産技術部(生技1G)で、主に海上自衛隊向けの表示装置の構造設計を担当しています。私の主な業務は、3D CADを用いた構造設計、部品の個片図や組立図といった図面作成、そして構造・振動解析や熱解析による設計の検証です。また、必要な設計書や顧客提出書類の作成、機構部品の選定・手配指示も行っています。
担当するプロジェクトは、お客様からの受注案件が中心で、設計完了後は生産管理や製造部門へ引き継ぎます。特に印象深いのは、現在3年目を迎えている大型の新規プロジェクトです。新しいコンソールの設計をゼロから手掛けており、最初の1〜2年間は研究と改善を重ね、今年はついに製品化フェーズに入りました。多くの困難に直面していますが、それらを乗り越えることに大きなやりがいを感じています。
航空宇宙工学科出身で、以前から構造設計の仕事に強い関心を持っていました。特に、航空機に搭載される製品の設計に携わりたいという思いが強かったため、日本アビオニクスを志望しました。また、防衛関連など公共性の高い分野で社会に貢献したいという考えも、入社を決めた大きな理由の一つです。

入社当初は、新しいことばかりで覚えるのに必死でした。CADの操作方法や図面作成、改版など、設計業務の基本に慣れるまでには苦労しましたが、OJT担当者や周囲の先輩方が親身になって質問に答えてくれたため、安心して業務に取り組むことができました。初めて話す人に質問することには緊張しましたが、どんな疑問にも丁寧に答えてもらえる環境で非常に助けられました。
仕事や働き方については、防衛業界というイメージから「堅苦しい」雰囲気を想像していましたが、実際は予想以上にフランクで驚きました。打ち合わせ中に冗談を交わしたり、上司にも気軽に話しかけられる環境です。そのため、若手でも自身の提案を実行したり、新しいことに挑戦したりしやすい風土があると感じています。一方で、業務内容は仕様書に基づいた厳密な作業が多く、堅実な部分もあると感じています。
職場の最も印象的な特徴は、その「風通しの良さ」です。製造現場に足を運んで現物を確認したり、上司に積極的に相談したりと、密なコミュニケーションが業務を円滑に進める上で不可欠だと感じています。
新人研修では、まず会社全体の研修として、名刺交換や電話応対といった社会人としての基本を学びました。特に苦手だった電話応対も、この研修で基礎を学んだおかげで克服でき、今でも非常に役立っています。
部内でのOJT教育は、段階的に進められました。最初は3D-CADを使った簡単なペン立ての設計といった課題から始まり、徐々に実際の装置設計へとステップアップしていきました。約1年間、上司の指導を受けながら図面作成や試作を繰り返し、1年目の終わり頃には自分の担当装置を持てるようになりました。このように、基礎から応用へと無理なくスキルを身につけていくことができる仕組みになっています。

日々の業務で最も苦労しているのは、仕事のペースを掴むこと、特に複数のタスクを同時にこなすことです。一つのタスクに集中しすぎてしまう傾向があり、他の業務がおろそかになったり、集中しすぎてしまうことが課題だと感じています。これは設計職ならではの特性で、多くの設計者が直面する課題であると共感していただいています。
この課題を乗り越えるため、私は休暇やフレックスタイム制度を積極的に活用し、仕事にメリハリをつけることで、ワークライフバランスを保つように工夫しています。これにより、心身ともにリフレッシュしながら業務に臨むことができ、結果として生産性の向上にもつながっています。
今後は、引き続き構造設計業務を継続していきたいと考えています。日本アビオニクスでは、海上自衛隊向けの表示装置だけでなく、航空機や車両に搭載される様々な製品を同じ生産技術部で手掛けているため、将来的には現在の担当分野に加え、航空自衛隊や陸上自衛隊向けの装置も担当してみたいという意欲があります。
キャリアの方向性としては、「知識を蓄えること」に関心があり、構造設計のエキスパートとして専門性を深めていくことを目指しています。現在の仕事は「想像以上に奥深く、何十年やっても足りない」と感じるほどやりがいがあり、まだ挑戦したいことが数多くあります。
今後の課題として、電気部品の製造中止が挙げられます。製造中止に伴い代替品を検討する際、サイズ変更などによって構造設計にも影響が及ぶことがあり、その都度設計変更が必要になる点は大変ですが、これもまた乗り越えるべき課題として捉えています。